月光園短歌サークル

2016年3月の歌会

門前の小僧か幼の足さばき

その母・祖母と三代の舞

E.K

ひなまつり壇に集ひし人形の

雰囲気満点心が躍る

S.I

念願のヨーグルトがつく昼食が

楽しみになる今日この頃か

K.H

恒例の年金友の会の慰問あり

幼子の舞に心躍らす

M.S

雪降りて強張りし体解さんと

大釜かけてたつぷりの茶を

A.S

職退きて十七年の春来る

寄り添ふ立雛励ましくるる

A.S

読み聞かせる「からすたろう」に涙する

六年生は卒業まぢか

S.I

緋毛氈叩ひて畳むベランダの

三月四日の淡き青空

S.I

屋根を打つ雨音渡る風の音

季は春へと代替りして

E.K

四十年前のスクラップ帳思春期の

鉛色の日々ここに顕ちくる

E.K

同級の女の子から吾子がもらふ

手作りチョコはハートの形

Y.S

ひと文字を希望の望と選びたり

災害の地の復興ねがひ

T.S

寒き日は朝のみそ汁格別に

旨く感じる日本の味

T.S

繰り返す寒の戻りを耐へ忍び

梅の花凛と香りを放つ

H.I

弟の都会暮しは活き活きと

良き一生なりしを逝きて知りたり

H.I

悩む日々叙情歌流るる深夜便

幼き日々に帰りてなごむ

T.S