月光園短歌サークル

2016年9月の歌会

ふる里に帰る家なし願はくば

温海の浜の夕陽ふたたび

E.K

夏まつりステーキ焼き鳥お好み焼き

おつまみいろいろビールが進む

S.I

音楽に合わせて踊る車椅子

あっという間に流れる時間

K.H

久々のツーデーマーチに参加して

流した汗のこの爽快さ

K.H

この頃の自然災害目に余る

地球温暖化進む証か

A.S

連日の猛暑続きに術もなし

なれどわづかに秋忍び寄る

A.S

享年二十八遺影の息子見つめしまま

身じろぎもせぬその父と母

E.K

子の急死に己を責めてその親の

出づる声弱し吐く息重し

E.K

真夏日の眩しく光る水面より

クロールする子の腕きらめきて

Y.S

帰省すれば友の足音遠くなり

一日ひとひ電話の鳴る事もなし

T.S

亡き父母のお墓参りに妹と

また来ると告げひとり施設に

T.S

大型の台風予報に脅えつつ

はたを見回り土寄せてやる

H.I

名も知らぬ鳥の囀りあまりにも

美しき声と庭に聞き入る

H.I

バトン繋ぎリレー競技の佳境なり

五輪の映像に思はず拍手

H.I

眼の前に火の粉降りくる大花火

払ふ団扇が大活躍す

S.I

一段と虫の鳴く音の高くなり

真夜の静寂に澄み渡りたる

S.I

燃ゆる夏五輪に野球に夢中なり

終りし後は暑さひとしほ

T.S

いつの間に走るはしやべるは孫二歳

帰りて後もしぐさ浮かびぬ

T.S

黄金に垂るる稲穂に台風の

寄らず過ぎたり庄内平野

T.S