人形劇に飛び入り参加の病む友が
心配よそに堂々と演ず
E.K
空梅雨の今日の酒田は三十八度
全国ニュースに外気温知る
T.T
あゆみ会副会長に選ばれぬ
やりがひと責任重き仕事を
S.I
七夕に短冊下げて祈る今日
家族の健康事故なき日々を
K.H
遊佐町に生活始めて二十二年
いまだ馴染めず庄内弁に
K.H
日曜日風っこの会の慰問あり
手品や昔話に心和みぬ
M.S
ジグソーパズル「くまの学校」完成す
私以上に喜ぶ介護員
Y.I
うす暗きわが玄関を灯すごと
白き紫陽花十日咲きつぐ
A.S
雨上がり青く連なる山々に
靄かかりきて魔法のごとし
A.S
ラケットを振る少年ら揺らめきて
テニスコートに陽炎のぼる
E.K
波打てる青田と傾く日のかげと
サングラス越しの色合ひ楽し
E.K
先生を見つめるまなざし真剣なり
さんすうおはじき並べる吾子は
Y.S
太陽の沈むまで浜に遊びゐしころの
炎思ひ出夢に浮かび来
T.S
砂浜の人みな去りし夕暮れに
風の抜けゆく低き風音
T.S
竹のごと成長続ける孫の丈
追ひこされしはうれしくもあり
T.S
さはやかなる風に乗りくる蝉の声
これからくるよ暑い日々だよ
T.S
波よけて海苔つむひとの手の凍え
思ひつつをり夕餉磯の香
S.O
湯の里の岸辺は萌えてせせらぎの
苔石づたひ二羽の鶺鴒
S.O