月光園短歌サークル

2016年12月の歌会

肺炎の入院長く十四日目

そろそろ時間持て余しをり

E.K

わが好物和菓子を持ちて同級生

全快祝ひと見舞ひくれたり

S.I

流行の風邪にかかりて寝込むわれ

回復待ちつつテレビをにらむ

K.H

風邪に臥し楽しいはずの日曜が

憂うつになる今日この頃か

K.H

師走の空めまぐるしくも変りゆく

日射しかげりて時雨降りしく

A.S

聳え立つ二本の公孫樹散りはじむ

まるで黄金の小鳥のやうに

A.S

病棟のエレベーター遅し病む夫を

待たせて今夜も七時をまはる

E.K

闘病の夫を支へてひと月過ぐ

身を射す風の日に日に寒し

E.K

サンタさん信じる吾子へのプレゼント

手の届かぬ棚にそつと隠しぬ

Y.S

紅葉を羽織れるごとき月山を

ひとり眺めてつらさ忘るる

T.S

紅葉も日々濃くなりて久々に

訪ね来し友の優しさを知る

T.S

夫と折る鶴幾百羽冬の夜の

ひとときありて晴れの日近し

S.I

鳥海を飛翔するごと折鶴の

紅白清しめでたき朝

S.I